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by rtanaka
メイド・イン・カッシーナ展 2009.4.24FRi.-6.7SUN. 森アーツセンターギャラリー 六本木ヒルズ森タワー52F
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『近未来テレビ会議 sponsored by SONY』参加報告
『近未来テレビ会議 sponsored by SONY』へのお誘い | 100SHIKI PR Board
『百式』開催のブロガー向け勉強会、『近未来テレビ会議 sponsored by SONY』に参加した。

■ 開催概要
日時 2008年5月21日(水) 19:30~20:00(その後懇親会)
場所 ソニー本社ビル(品川)
定員 約50-60名

■ 『100SHIKI PR Board』より抜粋
パソコンとは比較にならない、綺麗な大画面というインフラをどう活用していくべきでしょうか。「家電とネットの融合」は以前から議論されていましたが、今、本当に生活者が求めているのは何でしょうか。そこにはさまざまな可能性があるでしょう。単に「テレビでネットが見れる」だけではないはずです。
そこで今回は近未来のテレビはどうなっていくのかを、実際にBRAVIAの企画をされている方々と議論してみたいと思います。SONYが考えるテレビの未来とは何か、そこを目指すにはどのような課題があり、それらをどう解決しようとしているのか・・・。
現在SONYで行われている取り組みを直接担当者の方から聞いてしまいましょう(なんというか、かなりマニアックですよ・・・)。

『近未来テレビ会議 sponsored by SONY』参加報告_a0041513_14405780.jpg

会場は憧れのソニー本社ビルにある会議室。比較的広い会議室だったが、後ろの方まで座っていたので参加者だけで50-60名はいたと思う。当初の募集人数が40名だったから、かなり盛況だったようだ。また、サポートのソニー社員の方も10名以上はいて、休憩時間の説明やグループワークに参加して説明したり意見を聞いてくれた。



前方にはプロジェクタとデモ用のBRAVIAがあり、その他会場内には説明用に4台程度のBRAVIAが展示されていて、休憩時間には開発者の方が横にいて、丁寧に説明してくれたり質問に答えたり意見を聞いてくれるなど、かなりフランクな話ができた。
『近未来テレビ会議 sponsored by SONY』参加報告_a0041513_15243955.jpg
会場内に展示されているBRAVIA
自由に触って試すことができ、開発者の方に直接説明を聞くことができる


最初に『百式』代表の田口氏の趣旨説明があった後、ソニーで開発を担当する岡本氏から「みんなのテレビ」と題された、ソニーが考える(「自分がソニーをしょってるわけじゃないが・・・」と言っていたが(笑))近未来テレビについて提案された。

大画面・高精細・高品位は当たり前、それだけじゃない
「テレビを自由に。みんなのテレビに。」=ネットにつながる高性能ディスプレイ
現時点ではネットワーク接続率が非常に低い(数字データがないが10%未満のようだ)が、「みんあのテレビ」をキーワードに、高性能ディスプレイを生かした魅力ある機能とサービスを提供することで面白くしていきたいとのこと。

デジタルテレビはみんなのテレビか?
「デジタルテレビの可能性が、最近ようやく発揮できるようになってきた」
=ネットワーク接続、CPU搭載、アプリケーションプログラムの実行環境(ウィジェット)
『近未来テレビ会議 sponsored by SONY』参加報告_a0041513_15231298.jpg
テレビとパソコン、携帯電話の相対比較
大きくて綺麗なディスプレイが最大の強み

ソニーが考える「みんなのテレビ」とは
■ その1: みんなが欲しいものをできるだけ全部集める、みんなが自分で選ぶ
■ その2: 誰もが参加、デベロッパーオープンエントリー(2008年より実施)
■ その3: 自分で作ったプログラムを動かす、個人デベロッパー向けSDK(検討中)
『近未来テレビ会議 sponsored by SONY』参加報告_a0041513_1524553.jpg
BRAVIAで動作するウィジェットの様子
左側にテレビ画面が表示されたまま右側でウィジェットが動作する

BRAVIAではウェブブラウザ(JavaScript対応)に加えて、アプリキャストと呼ばれるJavaScriptで開発されたウィジェットが動かせるようになっている。当初はソニーがYahooなどに協力を仰ぎ提供していたが、今年から公募する形で法人だけでなく個人でも登録できるようになった。更に、今後はソニーを介さずにウィジェットを提供できるよう検討中とのこと。

「みんなのテレビ」はどんなテレビか
■ デモ: USBメモリ経由でアプリキャストを動かすことができる
■ SDK: ドキュメント、サンプルソースのほかWindowsで動作するエミュレータを提供
『近未来テレビ会議 sponsored by SONY』参加報告_a0041513_15263150.jpg
Windows XPで動くエミュレータの様子
右側でウィジェットが動作し、左側にデバッグ情報が表示されている


質疑応答
■ ウィジェットの最大サイズは?: 通常は最大300KB、拡大時で最大1.3MBに制限
■ テレビ画面とウィジェットが連携できないか?: 技術的には可能だが、それ以外(番組スポンサー、セキュリティ、著作権など)の課題のクリアが現時点では難しい

アイデアシート
自分たちが考える「みんなのテレビ」のアイデアを、参加者が考えるコーナー。最初に個人でアイディアをまとめ、その後6名程度でグループを組んで一つのアイデアを提示した。僕らのグループの案は選考にもれたが、3グループが選ばれプレゼンされた。

■ 1位 パパママテレビ(父権の復活):GPS携帯と連携してお父さんの居場所を知ったり、つぶやきを聞くことができるようにすることで、お父さんの存在感を高めることができるテレビ。
■ 2位 面白い話題を見逃さないテレビ: 視聴者のリアルタイムな感情(面白い、感動したなど)をリモコンの体温センサーを通して表すことができるテレビ。
■ 3位 居眠り防止テレビ: ごろ寝しながら見ているといつの間にか眠ってしまうことが多いが、生体センサーにより寝そうになると起こし、完全になるとテレビも寝る。

いづれのアイデアもユニークな上、プレゼンが面白くてうまい。自分が形式ばったアイデアしか出せなかったことが悔しかった。

参加の感想
ソニーの液晶テレビ「BRAVIA」を作っている開発者の方々が考えている、近未来(ここ1,2年の範囲)で実現しようとしているテレビの姿を聞くことができた。その中では、ネット接続とアプリキャストと呼ぶウィジェットが大きな役割を果たすことになりそうだ。しかし、ネット接続率もウィジェットの知名度もまだ低く、その使命を果たすには至っていない。今後は、その知名度を上げてインフラとして確立する必要がありそうだ。

一方で、ウィジェット自体の課題も大きい。知名度を上げるためには、宣伝なども必要だと思うが、なんと言ってもキラーアプリが必要だと思う。そのことはソニーも十分認識しており、デベロッパーのオープンエントリーなどを通じて、企業だけでなく個人ユーザーを巻き込んでウィジェットの拡充に努めている。この方向としては間違っていないので、更にその方針を進めて、検討されている個人デベロッパー向けSDKも実現して欲しい。最終的には、携帯電話の「勝手サイト」のようなものも許容されることを期待する。

ウィジェットの最大の問題は、現時点ではこれがソニーのBRAVIAでしか動作しないことだ。当日は質問し損ねたが、他社との話し合いやウィジェットの標準化などの話は一切なかったので、当面はソニー独自の規格になっていると思われる。企業としては差別化が必要なのは当然だが、このままでは「みんなのテレビ」が単なる「ソニーユーザーのテレビ」で終わってしまう。これでは、ウィジェットがどんなに魅力あるものでも広まるはずがない。

ウェブコンテンツに関しては松下電器と協力した「アクトビラ」が業界標準になりつつあるが、ユーザー同士をつなぐウィジェットこそ、業界での標準化を急がなければならないのではないだろうか。ソニーは独自の技術でリーダーシップをとることは長けているが、業界を巻き込んで標準規格を作ることはあまり上手とは言えない。VTR(ベータマックス)の教訓を生かして、Blue-rayでは勝利したように、今度はウィジェットで次世代テレビの標準化に努めて欲しい。

僕はちょうど1年ほど前に「BRAVIA KDL-26J3000」に買い換えていたので、ウィジェット(アプリキャスト)のことも知っており、説明された内容も理解しやすかった。しかし、多くの参加者はBRAVIAでJavaScriptで作られたウィジェットが動作することは知らなかったようだ。

ウィジェットは、Windows VistaやMacにもあり認知度は高い。また、ウェブでは早くからブログペットなどが普及してブロガーなどはよく知っている技術だ。また、いづれも開発言語としてJavaScriptが採用されているので、プラットフォームは違っても同じ技術要素を活用できるので、サーバー側を共有することもでき開発者やサービス提供者の参入が容易である。

このように考えると、ウィジェットが普及する可能性は十分ある。

今回の参加者は、ウィジェットの可能性については十分認識できたと思われるので、参加者の中からも面白いウィジェットが誕生しそうだ。勿論、僕も試しに作ってみたいが、そのためにも、個人デベロッパーが遊び心で参入できるような環境作りを優先して欲しい。

全体を通して感じたのは、数年前に言われていたようにテレビとパソコンは融合しないこと。テレビは単なる受像機からデジタル放送で双方向性を身につけた。しかし、現在はデジタル化とは別にネット接続することで、それ以上のポテンシャルを持つことができた。BRAVIAでは更にウィジェットを搭載することで、ネット接続の強みを更に発揮できるプラットフォームになりつつある。

このようにアプリを作って動かせるようになると言うと、まるでテレビがパソコンと同じになってしまうように聞こえるが、今日の参加者から出たアイデアを聞いているとそうではない。むしろ、テレビとしてのアイデンティティを保ったまま、発展することを期待していることがよく分かる。

では、テレビとしてのアイデンティティとは何か?

僕は、「ながら見」に代表されるような、受身のメディアだと思う。パソコンは能動的に利用しなければ使ったことにならないが、テレビは電源を入れおくだけ。インターネット検索とは違い、必ずしも自分が選んだものではなく、テレビから一方的に提供されてくる。気が向かなければ、チャンネルを変える(ザッピングする)だけでいい。

こう書くと、テレビの双方向性を否定しているように思われるが、決してそうではない。これまでは、放送局から一方的に提供されていた番組だけだったが、これにユーザーが参加したり、三津から作ったり、自由に選択・組み合わせてることができるようになる。それを、デジタル放送とネットを介して受信する装置がテレビである。そのためのプラットフォームを、テレビのネット接続とウィジェットが提供してくれることを期待する。

■百式


■ソニー液晶テレビ BRAVIA(ブラビア)
http://www.sony.jp/products/Consumer/bravia/index.html

■ソニー液晶テレビ BRAVIA(ブラビア) - アプリキャスト
http://www.sony.jp/products/Consumer/bravia/technology/applicast/
by rtanaka | 2008-05-22 15:50 | technology
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